第40回学級経営実践セミナー(北海道)
「子どもたちの姿・声から考える!ウェルビーイングを紡ぐ学級経営」
実施報告
主催
日本学級経営学会(セミナー開催事務局 髙原隼希)
共催
教育研修サークル 北の教育文化フェスティバル(代表 森優也)
教育実践研究会 強い風がやむと 雨は降り始める(共同代表 山田洋一)

1.開催要旨
私たちは、教室や学校をどのような場所にしたいと思っているのでしょうか。きっと、共通して根底にあるのは「子どもたちの幸せ」を願う気持ちでしょう。社会の大きな変化の中で、私たちはさまざまな課題に直面し、日々挑戦し続けることが求められています。それでも、「子どもの幸せを願い、学級経営や授業を行う」という本質は変わらないはずです。
そこで今回は、「ケアする力」と「舵取りの力」という2つのキーワードに焦点をしぼり、「子どもたちのウェルビーイングを紡ぐ学級経営」について考える1日をデザインしました。
また、「学級経営」については、「どこか感覚的、経験的な部分が多い」と感じられている方も多いのではないでしょうか。本セミナーは、子どもたちへのアンケートやインタビューを通した実践研究の発表と講座により、理論的・実践的に学級経営について学べる場づくりを目指しました。
2 日時
2025年12月13日(土)12:30 受付開始 - 17:50 終了
3 会場
北ガス文化ホール (千歳市民文化センター)
4 参加者
43名 登壇者6名 参加理事2名 計51名
5 プログラム
12:30-13:00 受付&場づくり
13:00-13:20 オープニング 趣意説明&アイスブレイク
チェックイン あなたの考える子どもたちのウェルビーイングとは
進行 髙原隼希
13:20-14:20 実践発表「子どもと教室の”ケアする力”を高める」
実践発表者 大澤優亮 坂本千恵 増田展明(各発表20分)
14:30-14:50 発表に対するコメントと対話「ケアする力を高める学級経営とは?」
山田洋一 赤坂真二 進行:髙原隼希
14:50-15:50 実践発表「子どもと教室の”舵取りの力”を高める」
実践発表者 坂井幸恵 森優也 髙原隼希(各発表20分)
16:00-16:20 「舵取りの力を高める学級経営とは?」
山田洋一 赤坂真二 進行:増田展明
16:20-16:40 講座「子どもたちのウェルビーイングを支える学級経営」
山田洋一
16:40-17:00 講座「子どもたちのウェルビーイングを支える学級経営」
赤坂真二
17:10-17:40 チェックアウト「選べるリフレクション」
17:40-17:50 クロージング
6 当日の様子
今回のセミナーは、ウェルビーイングを「ケアの力」と「舵取りの力」という2つの側面から捉える構成で実施しました。 このテーマに基づき、3名ずつの登壇者が実践研究を発表。すべての発表において、「感覚的に行われがちな学級経営」を「エビデンスに基づいて可視化する」ことを徹底しました。これは、リサーチを通じて実践を客観的に分析し、改善のサイクルを生み出すためです。参加者には、単に手法を持ち帰るだけでなく、現場でのリサーチや校内研修に「エビデンスベース」の視点を取り入れる重要性に気づいてもらうことを狙いとしました。
発表後には、日本学級経営学会理事の赤坂真二先生と山田洋一先生より講評をいただきました。両先生からは各実践と実践研究についての価値が語られ、参加者は学びをより深いものにすることができました。特に印象的だったのは、「子どものケアには、学校全体で覚悟を持って環境を整える必要がある」「子どもの成長は教師の信念によって支えられる」というメッセージです。組織としての取り組みと、教師個人のマインドセットの転換、その双方の重要性が示唆されました。
総括として行われた講話では、赤坂先生より「子どもの幸福度を高める鍵は、教師が『自己決定』可能な環境をどれだけ作れるかにある」とご教示いただきました。当日の発表内容を引用しつつ、自己決定の場づくりと教師のマインドセットの変革こそが、子どものウェルビーイングを支えると熱く語られました。
続いて山田先生からは、「教師が学び、アクションを変えるだけで救われる子どもがいる」「教師の変化は、その子の人生に大きな影響を与えうる」との言葉をいただきました。教師の行動変容の重要性と、この仕事の尊さを再確認する時間となりました。
参加者からは、「教師の努力が子どもの意欲につながると知り、学び続ける原動力を得た」「次年度の校内研修では、学力向上の土台づくりに視点を当てたい」「『まだできていないだけ』という子ども観への転換が必要だと感じた」といった感想が寄せられました。 本セミナーにおいて参加者はエンパワメントされ、現場での新たなアクションやマインドセットの変容を促す大きなきっかけとなったと言えます。

